はじめに
こんにちは、シルです。
Spring Bootについて、調べていたところ、「設定より規約」という考え方があることを知りました。
より深く技術を理解するために、「設定より規約」とは何なのか、どういったものなのか調べてみることにしました。
「設定より規約」は、「細かい設定をしなくても、決まったルールに従うだけで、ちゃんと動く仕組み」ということです。
たとえば、家の中でいつも決まった場所に物を置けば、探さなくてもすぐ見つかる、という感じです。
プログラムも同じで、ルールに従えば難しい設定をしなくても簡単に動くようにしてくれます。

執筆中に見たサイト
https://neos21.net/blog/2021/08/05-01.html
https://qiita.com/itoken00/items/1bde0ce37013cfb6fcbb
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%AD%E5%AE%9A%E3%82%88%E3%82%8A%E8%A6%8F%E7%B4%84
https://gallu.hatenadiary.jp/entry/20150715/p1
このブログの要点は?
- 開発者が面倒な設定をしなくても、決まったルールに従えばアプリが動く仕組み
- TomcatやJettyのサーバーが自動的にセットアップされる
- H2データベースなどの接続設定が簡単に自動化される
- 特別な設定なしでテンプレートエンジンが利用可能
- 開発の効率化
- プロジェクトセットアップが簡単
- 柔軟に設定をカスタマイズできる
- 開発が速く進み、生産性が上がる。
特に初心者に優しい
「設定より規約」とは?
概要
Spring Bootは、Javaの代表的なフレームワークで、その魅力の一つが「設定より規約(Convention over Configuration)」という設計思想です。
この思想は、開発者が煩雑な設定を手動で行わず、基本的な設定が自動的に適用される仕組みを提供してくれます。
この仕組みにより、プロジェクトの初期セットアップから実際の開発までがスムーズに進み、開発の生産性を大幅に向上させることが可能です。
ポイント

- 開発者の負担軽減
開発者が詳細な設定に時間を費やす必要がなくなり、最小限のカスタマイズでプロジェクトをすぐに開始できる - 開発スピードの向上
プロジェクトの立ち上げや実装のスピードが飛躍的に向上
一般的な設定が自動的に適用されるため、すぐに開発に集中できる - セットアップの容易さ
初心者でも複雑な設定を意識せずにアプリケーションを動作させられる環境が提供される
これは、特にスモールスタートのプロジェクトや、開発リソースが限られているケースで有効
定義と背景
「設定より規約」とは、開発者が明示的に設定しなくても、フレームワークが予め定めた「規約」に従って動作することで、最低限のカスタマイズでシステムが動くように設計されている考え方のことです。
Spring Bootでは、これがアプリケーション全体に適用されており、開発者が通常必要とする設定作業が大幅に軽減されます。
具体的な仕組み
通常、JavaでWebアプリケーションを作成する際には、サーバーの設定やデータベース接続、テンプレートエンジンの設定など、多岐にわたる設定を行う必要があります。
Spring Bootでは、これらの設定があらかじめ規定されたデフォルト設定で提供されるため、開発者はそれを明示的に設定する必要がありません。
具体例1:内蔵サーバーの自動設定
Spring Bootの「設定より規約」の利点の一つが、Webアプリケーション用のサーバー(TomcatやJettyなど)が自動的に設定される点です。
通常のJava Webアプリケーションでは、サーバーソフトウェアのインストールや設定が必要ですが、Spring Bootではその手間を省き、すぐにアプリケーションを実行できます。
Spring Bootでは、spring-boot-starter-webという依存関係を追加するだけで、サーバーが自動的に組み込まれます。
これにより、アプリケーションのロジックや機能に集中でき、サーバー設定に関する作業が不要です。
具体的なコード例
pom.xmlに以下の依存関係を追加するだけで、サーバーが自動的に起動されます。
<dependency>
<groupId>org.springframework.boot</groupId>
<artifactId>spring-boot-starter-web</artifactId>
</dependency>
この依存関係により、Spring BootはデフォルトでApache Tomcatを組み込み、アプリケーション起動時に自動的にサーバーが起動します。特にTomcatやJettyを別途インストールする必要はありません。
実際の動作
Spring Bootアプリケーションを起動するだけで、localhost:8080でWebアプリケーションにアクセスできます。例えば、アプリケーションを実行するには、単にmvn spring-boot:runコマンドを実行するだけです。
mvn spring-boot:run
その後、ブラウザでhttp://localhost:8080にアクセスすれば、サーバーが動作していることを確認できます。
このように、サーバーの起動や設定を意識せずに、開発に専念できます。
利点
- 簡単なサーバー立ち上げ
依存関係を追加するだけでサーバーが動作するため、時間や労力を大幅に節約できる - 設定の簡略化
サーバーの設定に悩む必要がなく、開発者はアプリケーションのロジックやビジネス要件に集中できる - 即時確認可能
コードを作成した後、すぐにサーバーを立ち上げて動作を確認できるため、フィードバックサイクルが速くなる
Spring Bootの「内蔵サーバーの自動設定」は、開発者が迅速かつ効率的にWebアプリケーションを開発するための強力な機能と言える。
具体例2:データベース設定の自動化
Spring Bootは、データベース接続やORM(オブジェクトリレーショナルマッピング)の設定を自動化する機能を持っています。
通常、Javaアプリケーションでデータベースに接続する場合、JDBC設定やHibernate、JPAなどのORM設定を手動で行う必要があります。
しかし、Spring Bootでは、わずか数行のプロパティ設定を行うだけで、データベース接続が自動化されます。
例えば、H2データベースを使用する場合、application.propertiesファイルに接続情報を記述するだけで、JDBCドライバの設定やデータソースの定義、さらにはORMフレームワークの設定までが自動で行われます。
コード例(H2データベースの場合)
以下のプロパティ設定により、H2データベースに簡単に接続できます。
spring.datasource.url=jdbc:h2:mem:testdb
spring.datasource.driverClassName=org.h2.Driver
spring.datasource.username=xxxxxxxx
spring.datasource.password=password
spring.jpa.database-platform=org.hibernate.dialect.H2Dialect
この設定により、以下の処理が自動化されます。
- データベース接続の確立
jdbc:h2:mem:testdbというインメモリデータベースに接続 - JDBCドライバの設定
H2用のドライバを自動で適用 - ORM設定
Hibernateのダイアレクトを設定し、JPAを通じてエンティティの管理が可能
利点
- 手動設定の省略
JDBCドライバやデータソースの設定、さらにはORMの設定も不要
Spring Bootがこれらを自動で管理するため、開発者はコードに集中できる - すぐにデータベース利用が可能
プロパティに必要な情報を数行記述するだけで、データベースの接続と初期設定が完了し、アプリケーションの開発にすぐに取り掛かることができる - 設定の柔軟性
開発環境ではH2を使い、実際の運用ではMySQLやPostgreSQLに切り替えるといった変更が簡単に行えるため、環境に応じた設定を柔軟に行える
具体例3:Thymeleafのテンプレート自動設定
テンプレートエンジンを使用する場合、通常は設定ファイルにテンプレートエンジンの初期設定やテンプレートフォルダの場所を記述する必要がありますが、Spring Bootではその手間が省けます。
例えば、Thymeleafのようなテンプレートエンジンは、Spring Bootが自動的に認識し、特別な設定をすることなく使えるようになります。
Spring Bootでは、/resources/templates/ディレクトリに配置したHTMLファイルが自動的にビューとしてレンダリングされます。
これにより、テンプレートエンジンを導入する際に設定ファイルに手を加える必要がなく、すぐにテンプレートを利用した画面作成が行えます。
コード例
以下のHTMLコード例は、Thymeleafを使って簡単にリストを表示する場合のものです。
<ul>
<li th:each="product : ${products}" th:text="${product.name}">Product Name</li>
</ul>
このコードでは、productsというオブジェクトリストをループし、各商品の名前を表示しています。
Thymeleafのテンプレート構文を使って、サーバーサイドのデータをHTMLに埋め込むことができます。
利点
- 特別な設定不要
Spring BootはThymeleafを自動的に認識するため、pom.xmlにThymeleafの依存関係を追加するだけで利用可能
設定ファイルに手を加えることなく、テンプレートエンジンの設定が完了する - 迅速な開発
テンプレートエンジンの導入が容易であるため、HTMLテンプレートをすぐにレンダリングでき、画面開発がスムーズに進行できる - テンプレートの柔軟な管理
デフォルトで/resources/templates/フォルダに配置されたHTMLが自動的にレンダリングされるため、ビューの管理が容易
Spring Bootの自動設定機能は、サーバーだけでなく、データベースやテンプレートエンジンの導入においても非常に便利です。
開発者が煩雑な設定を気にせず、アプリケーションのロジックに集中できるよう、プロジェクト全体の効率を大幅に向上させます。
「設定より規約」がもたらすメリット
開発の効率化
「設定より規約(Convention over Configuration)」の最大のメリットは、開発の効率化です。
通常、Java開発では設定ファイルや構成を詳細に指定する必要があり、それに時間が取られることが多いです。
しかし、Spring Bootでは、事前に定義された規約に基づいて自動設定が行われるため、最小限の設定でアプリケーションを立ち上げることができます。
これにより、開発者はビジネスロジックや新機能の開発に集中でき、無駄な作業時間を大幅に削減できます。
結果として、開発サイクルが速くなり、アジャイル開発などの迅速なリリースが求められる環境でも優れた効果を発揮します。
例えば、内蔵サーバーの自動設定や、データベースの接続設定の自動化は、その典型的な例です。
これらは煩雑な設定作業を不要にし、開発をすぐに開始できる点で優れています。
プロジェクトセットアップの簡便さ
特に初心者にとって、プロジェクトの初期セットアップは難しいポイントの一つです。
複雑な設定ファイルの記述やフレームワークの初期設定は、学習曲線を急激に上げる要因となりがちです。
しかし、Spring Bootでは、規約に基づく自動設定のおかげで、複雑な設定を意識せずにプロジェクトのセットアップが可能です。
spring-boot-starterの依存関係を追加するだけで、必要な設定が整い、開発がスタートできるため、初心者でも簡単に開発を進めることができます。
例えば、データベース接続やテンプレートエンジンの設定がほとんど不要であることは、セットアップの迅速化に貢献しています。
柔軟性
「設定より規約」には、標準の規約に従うことでシンプルにアプリケーションを構築できる一方で、柔軟に設定を上書きすることも可能です。
プロジェクトが複雑化したり、特定の要件に応じて設定を変更する必要が出てきた場合でも、Spring Bootは柔軟に対応できます。
例えば、デフォルトのポート番号を変更したり、異なるデータベースやテンプレートエンジンを導入する場合も、必要に応じてプロパティを設定するだけでカスタマイズが可能です。
規約に従いつつ、必要に応じて細かい部分を変更できる柔軟性が、拡張性の高い開発を可能にしています。
まとめ

Spring Bootの「設定より規約(Convention over Configuration)」は、開発プロセス全体をシンプルかつ効率的にします。
煩雑な設定作業を自動化することで、開発者はビジネスロジックや新しい機能の開発に集中でき、開発スピードの向上や生産性の向上が期待できます。
特に、プロジェクトの初期段階でのセットアップが非常に簡便で、初心者に優しい環境を提供します。
また、規約に基づく自動設定を基盤にしつつ、プロジェクトの要件に応じて柔軟にカスタマイズすることも可能です。
小規模プロジェクトや、素早いリリースが求められる現場において、その効果は特に顕著です。
Spring Bootの「設定より規約」を取り入れることで、より迅速で安定した開発が実現できることを改めて強調します。



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